2024年5月21日 (火)

小豆島の醤油

小豆島の特産品は、醤油と佃煮と素麺、そしてオリーブオイルです。その小豆島にある二十軒ほどの醤油蔵のひとつで作られている木桶仕込みの天然醸造醤油(濃口醤油)を三十年以上使い続けています。半年分くらいをまとめて電話注文します。

この三十年で、電話で注文を受けてくれるかたが、ゆっくりとした話し方で対応してくれた高齢者女性から歯切れのいい応対の熟年女性に、ぼくたちが瀬戸内に引っ越してきたあたりで、切り替りました。

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その小豆島を訪れることにしました。

小豆島の醤油作りは四百年ほど前に始まったそうです。どなたが名付けたか現在は「醤の郷(ひしおのさと)」と呼ばれている醤油蔵や佃煮工場が軒を連ね黒い焼杉の板壁が続く町並みを醤油の香ばしい香りをかぎながらゆっくりと歩くのが今回の旅行の目的のひとつです。その中には三十年間お世話になってきた醤油蔵の風情をひそかに拝見することも含まれます。

オリーブ畑やオリーブ公園を散策するのがもうひとつの目的です。

素麺が特産品ということは小麦も胡麻油も地元で作っているということですが、時間があればその素麺をお昼に食べたいとも思うし、オリーブ園に好みの質のオリーブオイルがあれば食用でも肌用・髪用でも購入したいとも考えています。結果としては、素麺を食べないかもしれないし、オリーブオイルを買わないかもしれないにしても。

旅に目的が必要かどうかは意見が分かれるところです。たとえば次のような考え方もあります。

《旅行をする時は、気が付いて見たら汽車に乗っていたという風でありたいものである。今度旅行に出掛けたらどうしようとか、後何日すればどこに行けるとかいう期待や計画は止むを得ない程度にだけにして置かないと、折角、旅行しているのにその気分を崩し、無駄な手間を取らせる。》(吉田健一)

すでにJRの特急は席を予約したので理屈の上では気が付いてみたら列車に乗っていたという風には行きませんが、気分としては気が付いてみたら列車とフェリーに乗っていたに近い旅行になるかもしれません。


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2024年1月29日 (月)

令和6年の味噌作り

味噌はやはり自家製の「手前味噌」です。自分で材料を吟味できるし、短期から長期まで好みの期間、熟成できます。だから旨い。

今年の味噌作りでお世話になる大豆は北海道産の「白目」の無農薬栽培大豆で使用量は4kg、麹は島根産の有機玄米麹で使用量は4kg。令和5年と同じです。塩はいつも使っている自然海塩を1.8㎏。大豆と麹と塩の割合は、我が家では、大豆1kgに対して麹1kg、塩450gです。

1月27日と28日の二日間(準備時間も入れると26日の夜からの二日半)で味噌の寒仕込みを終えました。

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    北海道産の無農薬栽培の白目大豆(2kg、500g x 4)
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島根産の玄米麹(2㎏、1kg x 2)と自然海塩(900g、450g x 2)

味噌づくりの手順は以下の通りです。毎年のことだとしても年に一回だけの作業なので、念のために、また今後の参照目的のために毎回手順を書くことにしています。

用意する食材は前述のように大豆4kgと麹(今年は玄米麹)4kgと自然海塩1.8kg、そしてアルコール度数が44度の強い焼酎(強い度数の焼酎は器具や容器の雑菌消毒のための必需品)、利用する道具は10年以上使い続けている電動ミンサーと出来たばかりの味噌を寝かせておく一斗樽(正確には19リットルの業務用ホーロー容器)。

・よく水洗いした大豆を「前の晩から」半日、底の深い大鍋で十分に水に浸しておく。

・その大豆を柔らかくなるまで、吹きこぼれに注意し、アクを丁寧に取り除きながら、茹でる(プロは大豆を蒸すが、一般家庭では量が多い場合は蒸すという作業は難しい)。

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・モノづくりの工程にはボトルネックが存在することがあるが、我が家の味噌作りにおけるボトルネックは「鍋で茹でる」という工程。深い大鍋を総動員しても一日の最大処理量は大豆2.5kgなので大豆は一日2kgまでとする。だから4kgに対応するには二日間が必要。

・熱で柔らかくなった大豆を電動ミンサーにかけてミンチにする。ミンサーや受け皿は44度の焼酎で丁寧に消毒しておく。

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 ミンサーから茹でてや柔らかくなった大豆のミンチが出てくるところ

・麹と塩を、大きなボールなどできれいに混ぜ合わせたのを別途並行して用意する。これを一般に「麹の塩切り」と呼んでいる。ただし塩は「塩切り」で全部を使い切らずに一部分を後の工程のためにとっておく。

・ミンチした大豆を、麹菌が活発に活動できる50℃くらいまで冷ます。熱すぎると麹菌が死んでしまうので注意。こういうときは非接触型の温度計があるととても便利。

・50℃くらいまで冷えたミンチ大豆と、塩切りした麹をしっかりと混ぜ合わせる。

・混ぜ合わせたものをテニスボールよりも少し大きめに丸める。これを「味噌玉」という。

・「味噌玉」を次々に作ってそれを野球のボールやソフトボールを投げる要領で、焼酎で雑菌消毒した19リットルのホーロー容器に、投げ入れる。こうすると味噌玉の中や隙間に空気が入り込まないので雑菌の混入防止になる。味噌玉は作る人と投げ入れる人の分業にすると作業は円滑にすすむ。

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・味噌玉を投げ入れると段々とその嵩が増してくるので、投げ入れ終わったら、全体を手で平らに整える。

ここまでの工程を二回(二日間)繰り返す。

・二日目(最終日)は、「塩切り」のときに残しておいた塩をその上に薄くかぶせ――とくに周辺部を丁寧に――、その上に大きめにカットしたポリエチレン・ラップを空気漏れがないようにぴったりと敷く。(塩の上に干し昆布を敷くのは今年から止めました)。

・重石をかける。我が家では、常滑焼の大きい中蓋(けっこう重い)を重石にしている。

・上蓋をする

・大きめのポストイットに、大豆と麹の種類と投入量、仕込み年月日などを書き、上蓋に貼り付けてる。「天地返し」日付を書く欄を開けておく。

・埃(ほこり)予防のために、ホーロー容器全体を大きなポリ袋で覆うか、あるいはサイズが合うなら埃防止キャップ(食品工場で従業員が頭にかぶっている透明キャップの大型、あるいは食品工場の見学の際に見学者が頭にかぶることになっている蛇腹式の大型透明キャップ)で上蓋あたりをすっぽりと覆い、家の中で最も冷暗な部屋の一隅に長期保管する。

以上です。


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2023年8月21日 (月)

二十五年間使い続けた冷蔵庫

冷蔵庫の一般寿命は十年間だそうですが、来月上旬でその役目を完了する予定の冷蔵庫は二十五年使い続けてきました。

その冷蔵庫はシステムキッチンの一部として購入したもので、つまりキッチンシステムにかっちりと組み込まれた状態で長年利用され続けることを想定して設計された種類なので、また同時に個体としての「製品の当たり」もとてもよかったのか、この二十五年間とくに具合が悪くなることもなく働き続けてくれました。しかし、数か月前から、もうそろそろダメになるかもしれないので新しいのとの交替の心構えをよろしくという雰囲気を深夜にひそかに伝達したそうにすることもありました。

その冷蔵庫の修理やメンテナンスに関しては、札幌で数年前に冷蔵庫と同じメーカーのドラム式全自動洗濯機を修理してもらったときに――ドラム式の全自動洗濯機はよく壊れるし、寿命は計ったように五年間ないしそれ以下です――ベテランのサービス技術者から扉の開け閉めに関するセンサー関連部品を古い工場部品の取り寄せという形で取り替えてもらった程度で、あとは二つ付いている庫内照明灯のひとつを自分で後継部品を購入して交換したくらいで、つまり手のかからない冷蔵庫でした。設計も工場での作りもどちらも優れていたのだと思います。

余談ですが、古い部品を工場から伝手(つて)で取り寄せるといった応用動作は、社内人脈が浅く経験の少い若いサービス技術者には敷居が高い。

この冷蔵庫で特筆すべきは、去年の瀬戸内への引越しを入れて二十五年で四回の引越しを経験していることです(そのうち三回は長距離)。冷蔵庫のようなタイプの大型電気製品は日常生活で使い始めてからは電源のオン/オフをともなう引越しはしないほうが製品のためにはいいはずで、それを二十五年で四回も大型トラックで運ばれたので体にストレスも相当にかかったと思いますが、頑張ってくれました。

冷蔵室・冷凍室・野菜室などの機能とスペース配分を総合的に判断してこんなに使いやすい冷蔵庫は他にないというのが料理の好きな配偶者の評価で、だから使い続けて二十五年というわけですが、途中で実際に売り場に新商品を見に行ってもそれほどの誘因力をもったものには出会わなかったようです。しかし使い勝手に一抹の不安はあるけれども今のものと遜色ないと思われる別のメーカーの新製品に買い替えです。

今の冷蔵庫は来月上旬でいなくなるので――使用済み電気製品としてリサイクルされます、どの部分がどうリサイクルされるかはわかりませんが――、記念に現役最後の姿を数枚撮影してやりました。


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2023年4月28日 (金)

春の刺身は鰆(さわら)にかぎる

春の刺身は鰆(さわら)に限ります。高級な料理屋でドンとお金を使えば簡単だとしても、札幌や東京の一般家庭ではなかなか手に入れられない贅沢のひとつが鰆(さわら)の刺身です。

札幌で暮らしている頃は、鰆は福岡から運んでこられた丸ものか、それを切り身にしたものしか手に入りませんでした。九州から魚市場経由なので刺身で食べる鮮度はありません。鰆は刺身も焼き物も好きなので、丸ものを大きめの切り身に切り分けてもらい、それを自宅で自家製の醤油麹に漬け込んでおくと――鰆は西京漬けが定番ということになっていますが、我が家の好みではない――十日間くらいは通常の冷蔵庫保存で大丈夫です。丸ものは値が張りますが、実際は切り身で買うよりも断然お得です。

鯛(たい)の刺身も、鯛は春は桜色で桜鯛と呼ばれてとても美味しいのですが、美味しさに鰆ほどの驚きがありません。ただし、鰆だけではいくら旨いといっても味わいが単調なものになってしまうので、鯛や鰤(ぶり)やハマチや鯵(あじ)やイカの刺身と組み合わせて楽しみます。鰆とどれを組み合わせるかはその日の魚売り場の按配次第です。

お世話になっている漁協の直販店では鰆はどうも守備範囲の外らしくて手に入らない。魚介類を買うときは鰆も手に入れないと「業務」は終わらないので、保冷剤をしっかりと詰めた床面積の大きい大型の買い物バッグを持って魚売り場をハシゴすることになります。


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2023年2月 6日 (月)

瀬戸内で令和5年の味噌作り

今年の味噌作りでお世話になる大豆は北海道産の「白目」の無農薬栽培大豆で4kg――去年仕込んだ味噌と同じ農家で生産された大豆で、令和4年度分は調達の都合上「黒目」大豆でしたが今年は白目、麹は島根産の有機玄米麹で4kg。塩はいつも使っている自然海塩を1.8㎏(我が家では大豆と麹と塩の割合は、大豆1kgに対して麹1kg、塩450gが基準です)。

2月4日と5日の二日間(準備時間も入れると3日の夜からの二日半)でその量の味噌の寒仕込みを終えました。

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       北海道産、無農薬栽培の白目大豆(2kg、500g x 4)

味噌づくりの手順は以下の通りです。毎年のことだとしても年に一回だけの作業なので、念のために、また将来の参照目的のために毎回手順を書くことにしています。

《用意する食材は前述の通り大豆4kgと麹(今年は玄米麹)4kgと自然海塩1.8kg、そしてアルコール度数が44度の強い焼酎(強い度数の焼酎は器具や容器の雑菌消毒のための必需品)、および10年は使い続けている電動ミンサーと半年先の天地返しまで出来たばかりの味噌を寝かせておく一斗樽(正確には19リットルの業務用ホーロー容器)》

・よく水洗いした大豆を「前の晩から」半日、底の深い大鍋で十分に水に浸しておく。

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・その大豆を柔らかくなるまで、吹きこぼれに注意し、アクを丁寧に取り除きながら、煮る(プロは大豆を蒸すが、一般家庭では量が多い場合は蒸すという作業は困難)。

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・モノづくりの工程にはたいていはクリティカルパスが存在する。我が家の味噌作りにおけるクリティカルパスは「鍋で煮る」という工程。深い大鍋を総動員しても一日の最大処理量は大豆2.5kgなので大豆は一日2kgまでとする。だから4kgに対応するには二日間が必要。

・熱で柔らかくなった大豆を電動ミンサーにかけてミンチにする。ミンサーは必要箇所を44度の焼酎で丁寧に消毒。

・麹と塩を、大きなボールなどできれいに混ぜ合わせたのを別途並行して用意する。これを一般に「麹の塩切り」と呼んでいる。ただし塩は「塩切り」で全部を使い切らずに一部分を後の工程のためにとっておく。

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・ミンチした大豆を、麹菌が活発に活動できる50℃くらいまで冷ます。熱すぎると麹菌が死んでしまうので注意。こういうときは非接触型の温度計があるととても便利。

・50℃くらいまで冷えたミンチ大豆と、塩切りした麹をしっかりと混ぜ合わせる。

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・混ぜ合わせたものをテニスボールの大きさに丸める。これを「味噌玉」という。

・「味噌玉」を次々に作ってそれを野球のボールを投げる要領で、焼酎で雑菌消毒した19リットルのホーロー容器に、投げ入れる。こうすると味噌玉の中や隙間に空気が入り込まないので雑菌の混入防止になる。味噌玉は作る人と投げ入れる人の分業にすると作業は円滑にすすむ。

・味噌玉を投げ入れると段々とその嵩が増してくるので、投げ入れ終わったら、全体を手で平らに整える。

・「塩切り」のときに残しておいた塩をその上に薄くかぶせ(とくに周辺部を丁寧に)、大きめに切った幅広のよく乾燥した(できたら北陸地方の専門店が干した)干し昆布を塩の上に敷く(干し昆布を敷くのは北陸地方の伝統で我が家でも数年前からそれを拝借。こうすると昆布の風味も楽しめるし、味噌が熟成した時に昆布の漬物風ができ上がる。小さく切ると昆布の朝ごはんの佃煮だし、おにぎりの具としても活躍する)。干し昆布がないときはポリエチレン・ラップでもよい。

・重石をかける。我が家では、常滑焼の大きい中蓋(けっこう重い)を重石にしている。

・上蓋をする

・大きめのポストイットに、大豆の投入量や麹の種類、仕込み年月日などを書き、上蓋に貼り付けてる。「天地返し」日付を書く欄を開けておく。

・埃(ほこり)予防のために、ホーロー容器全体を大きなポリ袋で覆うか、あるいはサイズが合うなら埃防止キャップ(食品工場で従業員が頭にかぶっている透明キャップ、あるいは食品工場の見学の際に見学者が頭にかぶることになっている蛇腹式の透明キャップ)で上蓋あたりをすっぽりと覆う。

ここまでが二日間(前の晩からの準備 ―水洗いした大豆を底の深い大鍋で水に浸しておく― を入れると二日半)の作業工程です。

次の作業は半年先の「天地返し」。


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2022年10月 6日 (木)

我が家は一年を通して「麹」の消費量が多い

我が家は季節にかかわらず「麹(こうじ)」の消費量が多いと思います。通常は乾燥麹ですが、味噌は生麹です。

先ず甘酒作りに使います。飲むための甘酒ではなく、大根の美味しくない時期を除いて「べったら漬け」を作るのに必須だからです。また、鰆などの魚を風味付けと短期保存のために醤油麹に漬け込みます。醤油麹は自家製でそのためには麹が必要です。味噌の寒仕込みの頃は当然のことながら麹の消費量は増え、月間消費量を線グラフや棒グラフにするとそこがスパイク状になります

まとめて購入して冷蔵庫保存しておくと便利なので、以前に札幌でお世話になったことのある、北海道産米を使った北海道産の乾燥麹をまとめて40袋(1袋200g入り)電話注文で取り寄せました(写真)。届いたものを見ると、遠方からの注文ということで5袋おまけになっていました。すぐに電話でお礼です。

大豆も扱っているので、どんな大豆か尋ねてみると特別栽培(減農薬栽培)の「とよまさり」や「とよむすめ」だそうで、それらは白目大豆なので、味噌の仕上がりはきれいになります――我が家の味噌作りではでは白目と黒目の違いはそれほど気にしないとしても。関連記事は「黒目の大豆、白目の大豆」。

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2022年10月 5日 (水)

鰆(さわら)は秋以降も美味い

昨晩は鰆(さわら)の切り身を自家製の醤油麹に漬け込んであったのを焼いて食べました。

鰆(さわら)は 「魚」偏に「春」なので、確かに春が旬の魚ではあっても、涼しくなる季節からの鰆は春とは違った風に美味しい。春は淡白な味わいが楽しめますが、秋から冬の鰆は脂がのっているので濃厚な旨味を味わえます。季節による味わいの違いをしいて例えたら初鰹と戻り鰹ということになるでしょうか。

鰆は瀬戸内や西日本で人気の魚なので、四国東北部の瀬戸内では、鰆の刺身も簡単に手に入ります。

札幌でも九州産の鰆を対面販売の魚売り場でよく買ったものです。思い切って丸ものを切り身にしてもらってこともあります。そういう場合は長持ちさせるために風味付けにニンニクを混ぜた醤油麹に漬け込んで冷蔵庫保管です。

今年の4月に「鰆(さわら)の刺身を週に2回は食べている」という記事のなかで、「鰆(さわら)は字の通り春が旬で瀬戸内海では春を呼ぶ魚とされており、この時期は刺身に限ります――秋の鰆の味わいも捨てがたいのはわかっているとしても。旨い刺身はいろいろあるけれど、鰆は、間違いなく、いちばん美味しい刺身のひとつです」と書きましたが、鰆は生でも焼いても期待を裏切らない魚です――札幌では刺身でも大丈夫な鰆と出会う機会はとても限られていたとは言え。


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2022年7月27日 (水)

自家製の小倉甘酒アイスクリーム

自家製の小倉甘酒アイスクリームです。

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自宅で簡単に小倉アイスを作ろうと思ったら、ネットのメニューでも紹介されているように生クリームと餡子(あんこ)を混ぜ合わせて冷凍庫で冷やして固まったらでき上がりですが、我が家の小倉甘酒アイスクリームはやや複雑な変奏です。

この餡子アイスクリームの製造責任者は配偶者だとして、餡子作りのような力のいる連続作業はホットクックという名の調理家電にアウトソーシングします。

まず餡子(粒餡)ですが、原材料は北海道産の有機小豆と北海道産の甜菜糖(てんさいとう)と塩で――甜菜糖を黒砂糖にする場合もある――、ホットクックの「つぶあんコース」を利用すれば、2時間30分で作ってくれます。小豆のアク抜きは手でやるとしても、熱を加えながら混ぜ合わせるといった力と根気のいる作業は疲れを知らない調理家電に任せると楽だし、ヒトはその間に他のことができる。

次は甘酒アイスクリームですが、まず米麹を使って濃い甘酒を作ります。甘酒は定期的に作るので――たとえば「べったら漬け」作りには甘酒は不可欠なので――我が家では特別な作業ではありません。市販の生クリームをホイップし――これも力技なので米国製の頑丈が取り柄みたいな混ぜ合わせ器にアウトソーシングできます――自家製甘酒と卵黄を合わせたものと混ぜ合わせて凍らせると甘酒アイスクリームができ上がります。

アイスのとなりに餡子を盛り合わせると「小倉甘酒アイスクリーム」の完成です。アクセントに緑のペパーミント。夏の季語でもあるところの甘酒は夏バテ防止効果があるので、暑い時期の温かい甘酒も悪くありませんがひんやりとした甘酒アイスクリームも捨てがたい。

関連記事は「甘酒は夏の季語」。

 


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2022年6月21日 (火)

令和4年版の味噌の天地返し

仕込みから半年経過したので、熟成中の味噌一斗樽を二樽、天地返ししました。

一樽は令和3年(2021年)12月に札幌で寒仕込みしたもので、大豆は北海道産の無農薬栽培大豆、麹は北海道産の米麹、塩は天然海塩。もう一樽は令和4年(2022年)1月に、これも札幌で寒仕込みしたもので、大豆は北海道産の無農薬栽培大豆、麹は島根産の玄米麹、そして塩は同じ天然海塩です。

天地返しとは、樽の中の味噌の上(天)と下(地)をかき混ぜて味噌の均等な発酵を促すという作業ですが、大きな樽でそれをやるのはたいへんなので、我が家では、一斗樽を三つの常滑焼の甕に三等分して移し替えることで天地返しとしています。同じ効果が得られます。白黴(カビ)以外の色の黴が発生していた場合には、それを全部丁寧に取り除きます。

味噌の表面には、それぞれ、アルコール度数44度の焼酎に軽く浸して雑菌消毒を済ませた羅臼昆布を敷き詰め、その上に常滑焼の中蓋を重石として重ねます。昆布で表面を覆うのはは北陸地方の味噌作りの知恵の拝借です。

上蓋には、以下のような内容のメモをポストイットに書いて貼っておく。

・北海道産大豆 4kg
・玄米麹 4kg
・仕込み 2022年1月  ・天地返し 2022年6月
・① of ③ (【註】3個口の中の1、という意味)

外蓋の上から透明なシャワーキャップ風の帽子(食品工場などで工場見学者が頭にかぶることになっているアレ)をかぶせ、ホコリ除けとします。

札幌では味噌や梅梅干しは自宅の最も冷暗な場所に保管してありその基準は瀬戸内でも変らないとしても、季節の平均気温はそれぞれ10度以上は確実に高いので常温保存にやや不安なところもありますが、味噌は気候の違う全国各地の家庭で作られてきたのでつまらない心配は無用と思われます。

味噌汁などに使い始めるのは2024年の新春以降の予定です。

関連記事は「そろそろ手前味噌の季節」、「令和四年の味噌作り」、「続・令和四年の味噌作り」。

 


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2021年12月20日 (月)

令和四年の味噌作り

そろそろ手前味噌の季節」の続きです。その記事で「例年なら1月下旬が具体的な作業の開始時期ですが、今年は、いつもの倍の量を作りたいので、1回目の仕込みを年内に終え、2回目を1月下旬あたりに行う予定です」と書いたように、一回目の寒仕込みを先週末に終えました。外は北海道らしくない湿った雪の大雪で札幌の積雪量は55cm、気温は最高がマイナス6℃で、マイナス8℃と6℃の間を推移していました。

味噌作りは年に一回の作業なので、開始前に手順(工程と言うほうがモノづくりらしい)を一応確認しておきます。味噌づくりは配偶者との共同作業・分担作業で、長年やっているので、やり始めると手が勝手に作業を思い出します。冬の寒い時期に仕込むので「寒仕込み」。

「味噌づくりの手順」は慣れてくれば簡単です。今回は投入する大豆は4kgです。我が家の一日の大豆の処理量は2kgなので作業は二日間連続で行って4kgに対応します。

今年お世話になる大豆は、北海道産の無農薬栽培大豆で、必要量は既に購入済みです。下の写真は2kgのその大豆。味噌の製造企業は消費者にとっての仕上がりの見栄えが重要なので大豆は「白目」を選択しますが、我が家の優先順位は無農薬栽培なので「黒目」でも気にしない。「黒目」だと味噌に黒い異物が混入しているのではないかと騒ぐ消費者がいるそうです。

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【味噌づくりの手順(その一)】

・大豆4kgと麹(米麹ないし玄米麹)4kgと塩1.8kg(我が家では大豆1kgに対して麹1kg、塩450gを基準にしている)と、アルコール度数が40度超の強い焼酎を準備する(強い度数の焼酎は器具や容器の雑菌消毒のための必需品、我が家で利用しているのは度数が44度のもの)。新型コロナ対応で高濃度の食品用除菌アルコールが手元にあるならそれでもよい。

・よく水洗いした大豆を「前の晩から」半日、底の深い大鍋で十分に水に浸しておく。

・その大豆を柔らかくなるまで、吹きこぼれに注意し、アクを丁寧に取り除きながら、煮る(プロは大豆を蒸すが、一般家庭では量が多い場合は蒸すという作業は難しい)。

・モノづくりの工程にはたいていはクリティカルパスが存在する。我が家の味噌作りにおけるクリティカルパスは「鍋で煮る」という工程。深い大鍋を総動員しても一日の最大処理量は大豆2.5kgなので大豆は一日2kgまでとする。だから4kgに対応するには二日間必要。

・熱で柔らかくなった大豆を電動ミンサーにかけてミンチにする。ミンサーは必要箇所を焼酎で丁寧に消毒。

・麹と塩を、大きなボールなどできれいに混ぜ合わせたのを別途並行して用意する。これを一般に「麹の塩切り」と呼んでいる。ただし塩は「塩切り」で全部を使うのではなく一部分を後の工程のためにとっておく。

・ミンチした大豆を、麹菌が活発に活動できる50℃くらいまで冷ます。熱すぎると麹菌が死んでしまうので注意。こういうときは非接触型の温度計があると便利。

・50℃くらいまで冷えたミンチ大豆と、塩切りした麹をしっかりと混ぜ合わせる。

・混ぜ合わせたものをテニスボール大に丸める。これを「味噌玉」という。

・焼酎で雑菌消毒した甕(実際は一斗容量の業務用ホーロー容器)に、「味噌玉」を次々に作って、それを野球ボールを投げる要領で投げ入れる。こうすると味噌玉の中や隙間に空気が混じらないので雑菌の混入防止になる。味噌玉を作る人と投げ入れる人の流れ作業にすると円滑にすすむ。

・味噌玉を投げ入れると段々とその嵩が増してくる。投げ入れ終わったら、全体を手で平らに整える。

・「塩切り」のときに残しておいた塩をその上に薄くかぶせ(とくに周辺部を丁寧に)、大きめに切った幅広のよく乾燥した(できたら北陸地方の専門店が干した)干し昆布を塩の上に敷く(干し昆布を敷くのは北陸地方の伝統で我が家でも数年前からそれを拝借。こうすると昆布の風味も楽しめるし、味噌が熟成した時に昆布の漬物風ができ上がる。小さく切ると昆布の朝ごはんの佃煮だし、おにぎりの具としても活躍する)。干し昆布がないときはポリエチレン・ラップでもよい。

・重石をかける。我が家では、常滑焼の大きい中蓋(けっこう重い)を重石にしている。

・上蓋をする

・大きめのポストイットに、大豆の投入量や麹の種類、仕込み年月日などを書き、上蓋に貼り付けてる。「天地返し」日付を書く欄を開けておく。

・埃(ほこり)予防のために、ホーロー容器全体を大きなポリ袋で覆うか、あるいはサイズが合うなら埃防止キャップ(食品工場で従業員が頭にかぶっているあれ、食品工場の見学の際に見学者が頭にかぶることになっているあれ)で上蓋あたりをすっぽりと覆う。

ここまでが二日間(前の晩からの準備 ―水洗いした大豆を底の深い大鍋で水に浸しておく― を入れると二日半)の作業です。


【味噌づくりの手順(その二)】

寒仕込みから半年から一年くらい経った頃に「天地返し」を実施する。

・「天地返し」とは、甕で発酵中の味噌の天(上)と地(下)をかき混ぜて甕全体の発酵状態を平準化する(発酵に偏りが出ないようにする)こと。ただし、大きな甕の中で天地返しをするのは一苦労なので、別の複数のより小さな甕に移し替える形で天地返しをすることもある。

・天地返しまでは、味噌は暗冷所で静かに寝かせる(熟成させる)。

・天地返しをしたら、その日付を上蓋に貼り付けてあるポストイットの空欄に記入する。

手前味噌とも呼ばれる自家製味噌は大豆も麹も塩も好みのものを選び、ゆっくりと熟成させるので、市販のものよりも旨い。あるいは味が深い。だから、一年中美味しい味噌汁を飲み続けるためにも、毎年作ります。

 


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