2021年2月22日 (月)

とても小さい活字の文庫本を何冊か処分

先週、古い文庫本を20冊くらい処分しました。古いので捨てたのではなく、もう読み返すこともないと判断してゴミ扱いをしたのでもありません。購入してざっと目を通しその後僕と一緒に何度か引っ越しをしながら本棚で座り続けていた単行本や著作集を30年ぶりに読み返すといった事態は(しばしばではないにせよ)それなりに発生します――何かの物理的ないしはその他の都合で捨てていなければ。

その処分した20冊というのは、文庫本(岩波文庫・新潮文庫・中公文庫・ハヤカワ文庫など)と新書版(岩波新書・中公新書・講談社現代新書など)だけを集めてある本棚に並べてあったとても活字サイズの小さい、従って紙の色も経年変化した文庫本の小説類です。読めなくはないけれど、たとえば読み返すかもしれないし参照用にも保管しておきたい(たとえば、プラトンの「饗宴」、あるいは「古事記」)という種類の文庫本ではない。

伊丹十三「女たちよ!」(文春文庫)はなかなか刺激的なエッセイ集です。出版年が古く、処分した小説と同じように驚くほど小さい活字が並んでいます。電子書籍があると思うので捨ててもいいのですが(註:電子書籍はなさそうだが、文庫の新版はあった)、茶色くなった紙も含め懐かしい内容なのでとってある。

以前は新聞紙の活字もとても小さかったのがある時期から各全国紙で大きく読みやすくなりました。金融情報などが満載の日本経済新聞だけが抵抗を続けていたのが抵抗しきれなくて、全国紙では最後に大きな活字に移行したと記憶しています。調べてみると、大きな活字になったのは、毎日新聞が2007年末、朝日新聞と読売新聞が2008年春、日本経済新聞はよくわからない。

そのあたりから文庫本の活字の小ささの不愉快が目につき始め、従って文庫本の出版社もその前後から大きめの活字の文庫本に方向転換したのだと勝手に考えています。

手元にあるワイド版岩波文庫の「聊斎志異」(上下)の出版は2010年、「華国風味」(青木正児著)は2001年です。「ワイド版岩波文庫」や「講談社文芸文庫ワイド」(たとえば吉田健一著「絵空ごと・百鬼の会」)がぼくは好きだとしても需要がないのか出版本数が少なく人気のないのは最初の印刷だけで廃版になってしまう。活字を読者が好みの大きさに拡大できる電子書籍という選択肢もありますが、電子書籍よりも紙の中古本です。ぼくは実用書や実用書風以外は電子書籍をあまり歓迎しないので。

 


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2020年8月26日 (水)

古本通販の楽しみ

古本屋さんを歩く楽しみはさておいて、ここでは各種の通販という手段で古本を購入するときの楽しみについてです。

古本通販の楽しみには、買う楽しみと、届いたのを読み始める時の楽しみがあります。その楽しみは、新刊書を購入してきて最初のページやあとがきに目を通すのとはまた違った種類の刺激があります。

古本の通販購入ということだけでも、一般読者にとってはチャネルの選択肢が拡がりました。本やCDの通販から開始した大手通販はそのひとつですし、古本屋さんで構成する古本通販ネットというのもあります。それから、古本の種類によっては便利なのがいわゆる「フリーマーケット」サイトで、ここもシンプルなものからオークション形式のものまであるので、欲しいものを購入するためにはいくぶんの知識と慣れが必要です。

できるだけ品質の良い(つまりきれいで)、値段が安い古本がありがたいとしても、出品者がプロの場合には言葉の状態解説だけでは購入後に不満が残ることも少なくありません。だから、最近は古本といえども片手の指の本数以上の複数の写真を掲載してくれる出品者も増えてきました。

「フリマ」サイトでは映像情報(写真)が必須だとしても、古本屋さんのネットワークでも、そういうトレンドに無理なく対応しているところも増加中です。文字情報による定形風解説にこだわっているところも当然あるみたいです。それはそれで文化だとは思います。

同じ対象を複数のチャネルを横ぐし状態にずらずらと探すということもしますが疲れるので、対象の種類によってたいていは二つくらいが候補です。

個人全集の中の一冊や二冊を、それも1970年代や1980年代に出版されたもので旧漢字と旧仮名遣いの評論集などを、たとえば古本屋さんネット経由で買い求めるとして、届いた本を消毒を兼ねてきれいにし、最初の評論に取りかかったとします。

そこに、薄い、Hか2Hと思われる鉛筆の小さな細い字で旧漢字の隣にフリガナが少なからずあったりするのに出会うと、そういうのは状態説明になかったと以前は腹を立てたこともありましたし、消しゴムで消したりもしましたが、その字がいい感じのものなら、その当時どういう年齢のかたがこれを書き込んだのか、その様子を想像してみるのもなかなか楽しいものです。


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2020年6月23日 (火)

消極的に電子書籍を選ぶという場合

基本的に書籍は紙媒体が好きだとしても、それは読みやすい大きさの活字が並んでいる単行本や全集や、活字のポイント数が大きくなった最近の文庫本や新書版の場合であって、雑誌や料理関連などの実務本は、たいてい必要なところしか読まないし本棚が不要という理由で電子出版物を選択します。

それをとりあえず積極的な理由で電子書籍を選ぶ場合だとすると、消極的な理由で電子書籍を購入する場合というのもあって、それは、紙媒体としては古い作りの文庫本しか手に入らないような場合です。

古い作りとは、たとえ発行年度は比較的最近だとしても作りの古い、つまりそうしないとページ数が膨大なものになってしまうのでポイント数の小さな活字を並べた眼のいい学生向き文庫本などのことで、古典とされるロシアの長編小説や長い現代小説などがある。

単行本でも上下二段組みというのも、厚い文庫本を二冊いっしょにまとめたようなものなので活字は小さく読みやすいとは言えません。

そういうのは紙媒体だと目が痛くなるので、文字サイズを好みのものに変えられる電子書籍がありがたい。パソコンでもタブレットでもスマホでも機器に応じて好みのポイント数で読み進めます。「大きな活字の文庫本」感覚なら、専用端末は持っていないので、使うのはやはりスマホでしょうか。

それから、これは積極的に選んでいるのか消極的なのかわからないけれど、電子媒体でしか手に入らない読み物も電子出版物を買うしかありません。

 


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